• ようこそ組踊へ
  • 組踊の歴史
  • 組踊の演出
  • 演目鑑賞
  • 組踊を楽しもう
  • 索引
  • サイトマップ
  • クレジット
  • このサイトについて

朝薫五番 執心鐘入(しゅうしんかねいり、シューシンカニイリ)

聴きどころ

宿の女は、語り合おうと寝ている若松を起こします
『執心鐘入』2005年4月24日 国立劇場おきなわ
公演情報

聴きどころ 1

中城若松(なかぐすくわかまつ)と宿の女が出会う場面から「干瀬節(フィシブシ)」が、3度連続で歌われます。この歌はいずれも女の心情を表しており、心の変化が読み取れます。

「干瀬節(フィシブシ)」
『執心鐘入』2005年4月23日 国立劇場おきなわ公演情報
[詞章] [読み] [現代語訳]
里と思ば、のよで サトゥトゥミバヌユディ 貴方と知っていたらどうして
いやでいふめ御宿。 イヤデイュミウヤドゥ 御宿を断りましょうか
冬の夜のよすが フユヌユヌユスィガ 長い冬の夜を明かして
互に語やべら。 タゲニカタヤビラ 互いに語りましょう
「干瀬節」
[詞章] [読み] [現代語訳]
及ばらぬ里と ウユバランサトゥトゥ 及ばない貴方と ※
かねてから知らば カニティカラシラバ かねて知っていたら
のよで悪縁の ヌユディアクヰンヌ どうして悪縁がこのように
袖に結びやべが スディニムスィビャビガ 袖に結べましょうか
「干瀬節」
[詞章] [読み] [現代語訳]
悪縁の結で、 アクヰンヌムスィディ 悪縁が結ばれてしまっては
はなちはなされめ。 ハナチハナサリミ 離そうとしても離されない
ふり捨てゝいかは、 フリスィティティイカワ 私を振り捨てて行ったら
一道だいもの。 チュミチデムヌ 一緒に死ぬしかない
若松は座主に助けを求めます
『執心鐘入』2005年4月24日 国立劇場おきなわ公演情報

聴きどころ 2

宿の女に追われた若松が、必死で末吉(すえよし)の寺に逃げ込み、座主(ざす)[住職]に命を助けてくれるよう頼む場面です。このとき、唱えを定型の八六調ではなく七五調に変えることで、若松の切羽詰まった心境を表現しています。

若松詞
『執心鐘入』2005年4月23日 国立劇場おきなわ公演情報
[詞章] [読み] [現代語訳]
一夜かりそめの イチヤカリスミヌ 一夜ほんの束(つか)の間の
宿の女、 ヤドゥヌヲゥンナ 宿を借りた女
悪縁の縄の アクヰンヌツィナヌ 悪縁の綱は
はなちはなさらぬ。 ハナチハナサラン 離そうとしても離せない
終に一道と ツィーニチュミチトゥ 共に死のうと
跡から追付き、 アトゥカラウッツィキ 後から追いかけ
露の命を ツィユヌイヌチヲゥ 危うい命を
とらんとよ。 トゥラントゥユ 取ろうという
行く末吉の ユクスィユシヌ 行く末よいという末吉の
この御寺、 クヌウティラ この御寺に
頼まば終に タヌマバツィーニ 頼もうと、とうとうやって来た
我が命、 ワガイヌチ 私の命を
たんで御助け、 タンディウタスィキ どうかお助けください
わがいのち。 ワガイヌチ 私の命を

聴きどころ 3

物語後半の鬼女と僧達のせめぎ合いは、この物語の見どころであり、聴きどころでもあります。舞台の激しさもさることながら、女の離れがたい気持ちと経文の対決を、それぞれ笛と太鼓の音楽で表現している点にも注目してください。見どころページでも紹介しています。

  • 朝薫(ちょうくん)の五番
    • 二童敵討(にどうてきうち)
    • 執心鐘入(しゅうしんかねいり)
    • 銘苅子(めかるし)
    • 孝行の巻(こうこうのまき)
    • 女物狂(おんなものぐるい)
  • その他の主な演目
    • 万歳敵討(まんざいてきうち)
    • 義臣物語(ぎしんものがたり)
    • 手水の縁(てみずのえん)
    • 花売の縁(はなうりのえん)
    • 大川敵討(おおかわてきうち)
    • 新作組踊 真珠道(まだまみち)
    • 新作組踊 十六夜朝顔(いざよいあさがお)
 

ページの先頭に戻る