- 作者:
- 玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)
- 初演:
- 1719年。尚敬王(しょうけいおう)冊封(さくほう)の宴(うたげ)で上演。
- 別名:
- 『護佐丸敵討(ごさまるてきうち)』
- 登場人物:
- 阿麻和利(あまわり)、供1、供2、供3、鶴松、亀千代、母、きやうちやこ持
主な登場人物の相関図
天下取りの野望に燃える勝連城(かつれんじょう)主の按司(アジ)[城主]、阿麻和利が登場します。阿麻和利は、首里王府(しゅりおうふ)に偽りを言って、邪魔な中城城主・護佐丸を攻め滅ぼします。そして、護佐丸を討ち取ると同時に、その子ども達も殺しました。近い内に首里王府へも攻め入ろうと考えている阿麻和利は、野に出て酒宴を広げ遊び、勝ち戦のための願を掛けようと準備を言いつけます。
ところが、阿麻和利が殺したと思っていた護佐丸の遺児鶴松と亀千代の兄弟[二童]は、実は生きていました。落城の際に敵の目を逃れた鶴松と亀千代は、母のもとで成長し、父の敵(かたき)を討つ機会を狙っていました。そして、阿麻和利が野遊びをすると聞きつけた2人は、仇討ち(あだうち)に向かいます。
阿麻和利一行が酒盛りをしているところに、踊り子に変装した鶴松と亀千代が近づきます。阿麻和利に所望(しょもう)されて踊る2人。2人の踊りを見て気分を良くした阿麻和利は、褒美(ほうび)として、自らの大団扇(おおうちわ)と太刀(たち)を与えます。さらに気分を良くした阿麻和利は、自ら着ている羽織(はおり)なども、次々に与えます。そして、丸腰になった阿麻和利のすきを見逃さず、2人は首尾よく父の敵を討ちます。