組踊には珍しい恋愛をテーマにした演目です。
組踊には珍しい恋愛をテーマにした演目です。
山戸は波平(ファンジャ)村の山に花見に来た帰り道、水を飲もうと波平井[井泉]に立ち寄りました。そこで髪を洗いに来た玉津と出会い、心を引かれ、山戸は、手水[昔から男女が縁結びをする際に行われる行為]で水を飲ませて欲しいと頼みます。
玉津は戸惑いますが、山戸の「手水が飲めないなら身投げをする」という必死の思いに心動かされ、手水を飲ませました。惹かれあった2人は、再会の約束をして別れます。
山戸は、闇夜に身を隠して玉津の家を訪ねますが、2人の密会は門番に見つかってしまいます。親に知られ、密通の罪で玉津は知念浜(ちねんばま)で処刑されることになりました。玉津は、父の部下である志喜屋の大屋子と山口の西掟に浜へ連れて行かれます。すると、処刑を聞きつけた山戸が浜へ駆け付け、命乞いをします。ほだされた部下たちは山戸の説得を聞き入れて2人を逃がすことにし、山戸と玉津は、手を取り合って部下たちと別れて行きました。