浅葱幕[浅黄幕](あさぎまく)
『御ひいき勧進帳』「山城国石清水八幡宮の場」
国立劇場(Y_E0100243038027、Y_E0100243038028、Y_E0100243038029)
浅葱色[浅黄色]とよばれる鮮やかな水色の幕で、場面や舞台の転換を観客に印象づける演出に用いられます。例えば、舞台を覆う幕を床に落とすことで、一瞬にして舞台が見える状態にする「振落し(ふりおとし)」という演出や、反対に舞台が見えている状態で、天井から幕を落とし瞬間的に舞台を覆う「振りかぶせ」という演出があります。



『御ひいき勧進帳』「山城国石清水八幡宮の場」
国立劇場(Y_E0100243038027、Y_E0100243038028、Y_E0100243038029)
道具幕(どうぐまく)
波や山、塀などの風景が描かれた幕です。多くは、次の場面の大道具などを設置している間に、観客の注意を引き付けておくために使用されます。場合によっては幕の前に群衆役の俳優が登場し、これまでのストーリーや、これから始まる場面の設定などをせりふのやり取りで説明します。

『義経千本桜』「大物浦の場」
国立劇場(Y_E0200088500575)
消し幕(けしまく)
舞台で殺された登場人物が、退場を隠すときに利用される幕です。武士の世界を描いた「時代物(じだいもの)」では赤い毛氈(もうせん)を、町人の世界を描いた「世話物(せわもの)」では黒布を使用します。

『一谷嫩軍記』「須磨浦浜辺組討の場」
国立劇場(Y_E0100285500064)
霞幕(かすみまく)
舞台上の「竹本(たけもと)」や清元(きよもと)などの演奏者が、演奏していない間や舞台から出入りするのを隠すために使用されます。白い布に水色の雲が描かれた布で作られており、霞のようなのでその名前があります。

『御ひいき勧進帳』「山城国石清水八幡宮の場」
国立劇場(Y_E0100243035018)