ユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い INVITATION TO KABUKIユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い INVITATION TO KABUKI

演出と音楽

特徴的な表現見得

感情の高まりなどを表現するために、演技の途中で一瞬ポーズをつくって静止する演技をさし、その人物をクローズアップさせる効果があります。多くの場合、「見得」の瞬間には「ツケ」が打たれます。「立役」を中心に行なわれますが、役柄や作品の内容によって表現は異なります。

「荒事(あらごと)」の役では、より効果的に見せるために、直前に大きく首を振ったり、足を大きく踏み出したり、手を大きく広げたりする動作を伴います。また若衆役(わかしゅやく)や「世話物(せわもの)」の役では、あごを引く程度の小さな動きで表現します。

慣用句として使用される「大見得(おおみえ)を切る」[自信たっぷりに装い、大げさな言動をとる]という言葉は、歌舞伎からきています。この他にも名称のついた「見得」は、いくつか存在します。

平成8(1996)年10月
国立劇場大劇場 第199回歌舞伎公演
『四天王楓江戸粧』「紅葉ヶ茶屋の場」
古鉄買い七面の伝七 実は 相馬太郎良門 :市川 猿之助【3】(現:市川 猿翁【2】)

『四天王楓江戸粧』「紅葉ヶ茶屋の場」幕切の「大見得」。「ツケ」が細かく打たれた後に、大きく打ち上げられて、主役を中心にして主だった人物が同時に「見得」をするため、「打上げの見得(うちあげのみえ)」ともいわれます。