ユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い INVITATION TO KABUKIユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い INVITATION TO KABUKI

演目主な演目

平家女護島へいけにょごのしま

時代物/通称 | 俊寛(しゅんかん)

作品のあらまし

『平家物語(へいけものがたり)』の一部に取材した近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の作品です。

現在では、平清盛(たいらのきよもり)へ謀反を企てた罪により、鬼界ヶ島(きかいがしま)に流された俊寛(しゅんかん)らをめぐる場面が上演されるため、通称『俊寛』とよばれています。

都からの赦免船(しゃめんせん)が俊寛・丹波少将成経(たんばのしょうしょうなりつね)・平判官康頼(へいはんがんやすより)の3人の流人を迎えにきます。しかし俊寛は、都に残してきた妻が殺されたことを知って絶望し、使者の瀬尾太郎(せのおのたろう)を殺して、成経の妻となった海女(あま)の千鳥(ちどり)を自分の代わりに船に乗せます。1人島に残った俊寛は、遠ざかる船を見送ります。

見どころ

平成7(1995)年10月
国立劇場大劇場 第194回歌舞伎公演
『平家女護島』「鬼界ヶ嶋の場」
俊寛僧都:中村 吉右衛門【2】

島に1人残る俊寛の絶望感を表現するため、「廻り舞台(まわりぶたい)」と波を描いた「浪布(なみぬの)」が、効果的に使用されます。

俊寛が沖へと遠ざかっていく船を見送るために、岩山を登りはじめると「廻り舞台」が廻りはじめます。回転して客席から見えるようになった部分には、「浪布」が敷き詰められており、あたかも海上には、俊寛が登った岩山しか存在しないかのように見えます。この演出により俊寛の孤独感・絶望感が、一層鮮明に表現されます。

岩山から身を乗り出そうとしたとき松の枝が折れ、俊寛はしゃがみ込みます。放心したように沖を見つめる俊寛の様子が、「幕切(まくぎれ)」に余韻を残します。