ユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い INVITATION TO KABUKIユネスコ無形文化遺産 歌舞伎への誘い INVITATION TO KABUKI

演目代表的な演目

春興鏡獅子しゅんきょうかがみじし

所作事/通称 | 鏡獅子(かがみじし)

作品のあらまし

『春興鏡獅子』
国立劇場所蔵(BM002688)

『春興鏡獅子』
国立劇場所蔵(BM002696)

明治時代に9代目市川團十郎(いちかわだんじゅうろう)が、初演した長唄舞踊(ながうたぶよう)です。

小姓の弥生(やよい)が将軍の前で踊りを披露し、飾られた獅子頭を手にすると獅子の精が乗り移る、という内容です。前半は気品のある娘、後半は荒々しい獅子の精という対照的な役を1人で踊り分ける点に見どころがあります。

9代目團十郎の死後、上演が途絶えていましたが、6代目尾上菊五郎(おのえきくごろう)が復活させて当り役として以降、現在でもたびたび上演されるようになりました。

『春興鏡獅子』
国立劇場所蔵(BM002688)

『春興鏡獅子』
国立劇場所蔵(BM002696)

見どころ

『春興鏡獅子』
国立劇場(Y_E0100285500788)

歌舞伎の舞踊には、「獅子物(ししもの)」または「石橋物(しゃっきょうもの)」とよばれる作品群があります。中国の清涼山(せいりょうざん)を訪れた寂昭法師(じゃくしょうほうし)が、牡丹に戯れて舞う獅子を目にするという能の『石橋』に取材した作品群です。

後半に行なわれる勇壮な獅子の毛振りが、共通した見どころです。この毛振りは、頭ではなく「腰で振る」のがコツといわれ、美しく振るにはかなりの技術を要します。

『春興鏡獅子』
国立劇場(Y_E0100285500788)