歌舞伎俳優には、家ごとに屋号があります。その由来ははっきりとは分かっていません。江戸時代の歌舞伎俳優は苗字【みょうじ】を許されていなかったために代わりに屋号を使ったとか、副業として化粧品【けしょうひん】や菓子【かし】などを売る店を営んでいたので屋号を持っていたなどが理由とされています。
屋号は、小道具や衣裳などにデザインされて使われたり、また客席からの掛け声【かけごえ】などによって、一般の観客にもなじみ深いものといえます。写真は、立廻【たちまわ】りで使用される小道具の傘【かさ】に尾上菊五郎【おのえきくごろう】家の屋号「音羽屋【おとわや】」が書かれている例です。