文化デジタルライブラリー

見得

【みえ】

【MIE】

 
元禄見得 『暫』12代目市川團十郎の鎌倉権五郎 1995年(平成7年)11月歌舞伎座
 物語の重要な場面、または登場人物の気持が盛り上がった時などにいったん演技を止めてポーズをとります。これが見得です。観客の注目を集める効果があります。見得にはさまざまな種類があり、それぞれの場面に合わせて演じられます。

●元禄見得【げんろくみえ】
 右手を水平に伸【の】ばし、左手はひじを曲げて上にかざす見得です。同時に左足を大きく踏【ふ】み出して力強さを出します。映像の歌舞伎十八番【かぶきじゅうはちばん】『暫【しばらく】』の鎌倉権五郎【かまくらごんごろう】などが行います。初代市川團十郎が工夫して生み出したといわれています。

●石投げの見得【いしなげのみえ】
 石を投げたような格好となる見得です。『勧進帳【かんじんちょう】』の弁慶【べんけい】が行うことで有名です。

●柱巻きの見得【はしらまきのみえ】
 建物の柱や長刀【なぎなた】のような長いものに、手と足を巻きつける見得です。『鳴神【なるかみ】』の鳴神上人【なるかみしょうにん】などが行います。

●天地の見得【てんちのみえ】
 1人が高い場所で、もう1人が低い場所でポーズを決める、2人同時に行う見得です。

●不動の見得【ふどうのみえ】
 不動明王【ふどうみょうおう】のポーズをとる見得です。歌舞伎十八番の『不動【ふどう】』や『鳴神』の鳴神上人、『勧進帳』の弁慶が行います。弁慶は右手に巻物を縦に持ち、左手には数珠【じゅず】を持って不動の見得をします。

おすすめコンテンツ

関連項目

ページの先頭に戻る