文化デジタルライブラリー

早替り

【はやがわり】

【HAYAGAWARI】

 
老役からの鮮やかな早替り 『仮名手本忠臣蔵』3代目中村鴈治郎(4代目坂田藤十郎)の与市兵衛・定九郎 2002年(平成14年)11月国立劇場
 素早く役柄【やくがら】を替わるケレン味のある演出のことをいいます。歌舞伎では、1人の俳優が同じ場面の中で2つ以上の役を演じる場合があります。演じる俳優は短時間で、年齢【ねんれい】や性別、善悪などを替えて登場します。とくに文化【ぶんか】・文政【ぶんせい】期の怪談物【かいだんもの】に多用されて流行しました。
 『東海道四谷怪談【とうかいどうよつやかいだん】』は、その代表です。お岩【おいわ】を演じる俳優は、小仏小平【こぼとけこへい】という役も早替りで演じます。
 早替りは、ただ早く役を替わればいいというものではありません。替わる前と替わった後の役柄をしっかり演じ分けられるかが重要となります。
 映像は、珍しい『仮名手本忠臣蔵』での早替りです。干されている稲の中に引き込まれる老役から、鮮やかに早替りをして登場する演出です。

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