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鳥屋から舞台へ向かう
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舞台から烏屋に向かう
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花道全体(2階席より)
舞台【ぶたい】の下手【しもて】にある通路が、花道です。舞台と同じ高さで客席の中を通り、舞台と花道のつき当たりにある鳥屋【とや】を結んでいます。演目【えんもく】によっては、花道と平行して上手【かみて】にも仮花道と呼ばれるものが設置されます。
花道は舞台の場面によってさまざまな場所に変化します。例えば、舞台が屋内の場面では花道は廊下【ろうか】になります。また屋外の場面では道になります。舞台とは違【ちが】う場面を演じる場所として、非常に重要な役割をもっています。
歌舞伎では、花道を通って出たり引っ込【こ】んだりする場面は、演技の大きな見せ場となります。引っ込む時の演技で代表的なものが、六方【ろっぽう】です。スッポンのあたりは七三【しちさん】と呼ばれますが、花道を通る役は、ここで一度立ち止まり、何らかのしぐさや見得【みえ】をすることがあります。舞台より客席に近い花道を使った演技は歌舞伎独特のもので、観客に強い印象を与【あた】えることができます。