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助六

【すけろく】

【SUKEROKU】

 
 歌舞伎十八番【かぶきじゅうはちばん】の一つ。
 1713年(正徳【しょうとく】3年)に2代目市川團十郎【いちかわだんじゅうろう】が初演したといわれています。もともと『助六』の元となった作品は、上方【かみがた】で和事【わごと】を使って演じられていました。2代目團十郎は、「團十郎といえば荒事【あらごと】」という当時のイメージを打ち破って『助六』を江戸で演じました。そのため主人公の助六の演技には、荒事の中にも和事のやわらかさを表現しています。2代目團十郎は演技を重ねる中で、助六は実は曽我五郎【そがのごろう】だった、という設定にするなど工夫を凝【こ】らしていきました。
 代々の團十郎も『助六』を数多く演じたため、江戸の庶民【しょみん】たちは『助六』のことを典型的な「江戸っ子」と思うようになったほどでした。

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