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押戻

【おしもどし】

【OSHIMODOSHI】

 
  • 押戻 『隅田川続俤』9代目坂東三津五郎の大館左馬五郎 1989年(平成元年)12月国立劇場(Y_E0100157000211)
 歌舞伎十八番【かぶきじゅうはちばん】の一つにあげられていますが、「押戻」は、作品名ではなく役や演出の名前です。錦絵【にしきえ】にあるように隈取【くまどり】をして荒事【あらごと】の姿をした人物が、簑【みの】を着て竹笠【たけがさ】と太い青竹を持ち、花道【はなみち】にいる怨霊【おんりょう】や妖怪【ようかい】を鎮【しず】めるために揚幕【あげまく】から出てきます。花道で怨霊・妖怪と向き合いにらみ合った後、ついに怨霊や妖怪を本舞台【ほんぶたい】に押し戻し、怒【いか】りを鎮めます。ここから「押戻」という役の名前がつきました。怨霊や妖怪を押し戻すことで、荒事の力強さを表現しています。
 現在上演されている演目【えんもく】では、『京鹿子娘道成寺【きょうがのこむすめどうじょうじ】』という所作事【しょさごと】の最後に登場することがあります。

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