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大判錦絵三枚続所蔵・新藤茂

画題
:義経千本桜
浮世絵師
:初代歌川豊国(1769~1825)
板元
:西村屋与八(永寿堂)
板行年月
:1818年(文化15年)正月頃
判型
:大判錦絵三枚続
(1枚立37.5cm×横24.8cmの3枚もの)

大判錦絵三枚続に登場する役者たち

解説・新藤茂(浮世絵歌舞伎研究家 国際浮世絵学会常任理事)

江戸の大芝居は、江戸三座(中村座・市村座・森田座)で上演されていました。芝居町の正月は11月の顔見世(かおみせ)興行。それぞれの芝居小屋が抱えた役者たちによって、来年の10月までの向こう1年間、「うちの小屋(劇場)ではこの座組(メンバー)で芝居を打ちます」という意味を込めて上演したのが「顔見世」でした。したがって、ひとつの小屋で人気役者を全員抱え込む(独占契約する)ことはできませんでしたし、何年も見られない役者の組み合わせもでてきます。

そこで江戸っ子は、三座の役者全員で芝居をやったらどんなに楽しいだろうと考えたのです。その夢を叶えたのがこの錦絵でした。人気役者の似顔で、『義経千本桜』の全段全場面に、最も適した役者を見立てて当てはめた、いわば「オールスター夢の競演」です。このようなシミュレーション役者絵を「役者見立絵(やくしゃみたてえ)」といいます。実際にこの座組で上演されたわけではなく、絵師と板元の企画によって制作された役者絵です。

【大序<大内>】
5代目松本幸四郎の「左大臣藤原朝方」
初代中村芝翫(3代目中村歌右衛門)の「武蔵坊弁慶」
3代目尾上菊五郎の「源義経」
2代目市川友蔵の「猪熊大之進」

【序切<堀川御所>】
3代目尾上菊五郎の「源義経」
5代目岩井半四郎の「静御前」
2代目岩井粂三郎の「卿の君」
初代中村芝翫の「川越太郎」

【二段目口<鳥居前>】
3代目坂東三津五郎の「源九郎狐」
5代目岩井半四郎の「静御前」

【二段目中<渡海屋>】
7代目市川團十郎の「渡海屋銀平」
初代中村大吉の「銀平女房お柳」
2代目坂東善次の「相模五郎」

【二段目切<大物浦>】
7代目市川團十郎の「平知盛」

【三段目口<椎の木>】
5代目松本幸四郎の「いがみの権太」
2代目関三十郎の「主馬小金吾」
5代目瀬川菊之丞の「若葉内侍」

【三段目切<鮓屋>】
初代中村芝翫の「鮓屋弥左衛門」
2代目市山七蔵の「弥左衛門女房」
5代目瀬川菊之丞の「弥左衛門娘お里」
5代目松本幸四郎の「いがみの権太」
2代目岩井粂三郎の「権太女房小せん」
2代目関三十郎の「梶原平三景時」

【四段目<道行>】
3代目坂東三津五郎の「源九郎狐」
5代目岩井半四郎の「静御前」

【四段目切<河連館>】
3代目尾上菊五郎の「源義経」
5代目岩井半四郎の「静御前」
3代目坂東三津五郎の「源九郎狐」
4代目坂東彦三郎の「駿河次郎」
初代市川茂々太郎(後に6代目市川團蔵)の「亀井六郎」
7代目市川團十郎 の「横川覚範」

あらすじ

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