能楽

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世阿弥の業績

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◆世子六十以後申楽談儀の解説◆「して見てよきにつくべし。せずば善悪定めがたし。」

『隅田川(すみだがわ)』の演出をめぐって、世阿弥と元雅(もとまさ)の意見が異なったときの言葉です。 元雅の作った『隅田川』では、亡くなった子供の墓で念仏を唱える母親の前に、子供の姿が幻として見えるシーンがあります。世阿弥は、墓をあらわす作リ物の塚の中には子供はいない方がいいと考えていました。子供はあくまで死者の幻で、実在しないからです。しかし、この世阿弥の考えを聞いた元雅は、子供を出す演出でないとできないと答えます。そこで、元雅をたしなめる形で「実際にやってみて良い方にするのがよい、やってみなければ良いか悪いか決められない」という言葉が出てくるのです。空論を避け、舞台での実際のあり方にこだわった世阿弥の姿があざやかに浮かび上がってきます。 なお、今日『隅田川』では、子方が塚から出てくる演出の方が一般的ですが、子方を出さない演出が試みられることもあります。

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