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優雅で美しい歌や舞を見せ場としている能です。能を代表する名曲が多く、女性がシテとなっている曲が中心なので「鬘物(かつらもの・かづらもの)」とも呼ばれます。古典文学に登場する優美な女性の霊をシテとする『松風(まつかぜ)』『井筒(いづつ)』『江口(えぐち)』『野宮(ののみや)』『定家(ていか)』、草花の精をシテとする『西行桜(さいぎょうざくら)』『遊行柳(ゆぎょうやなぎ)』『杜若(かきつばた)』、天人をシテとする『羽衣(はごろも)』、現実の美女やそのなれの果ての老女などが登場する『熊野(ゆや)』『千手(せんじゅ)』『関寺小町(せきでらこまち)』などがあります。その他、貴人の男性がシテの『小塩(おしお)』『雲林院(うんりんいん)』などもここに分類されています。
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