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謡はリズムの面からは、「平ノリ(ひらのり)」「中ノリ(ちゅうのり)」「大ノリ(おおのり)」の3種類に分類されます。「平ノリ」は最も多く用いられる基本的なリズムで、七五調の文章に一定の法則に従って伸縮を入れて謡います(下の図は理論的なもので、実際の演奏とは必ずしも一致しません)。「中ノリ」は3種の中では最も活動的なリズム型で、修羅能(しゅらのう)で苦しみを表現する場面や戦闘の場面に多く用いられることから、「修羅ノリ」とも呼ばれます。「大ノリ」は1拍1字を基本に大きく謡われるリズムで、曲の最後や、神や鬼などが登場する場面で多く用いられます。これらのリズムを組み合わせて、能1曲は構成されています。
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