美術作品には、日本の伝統音楽の演奏シーンや、楽器を描いたものがたびたび登場します。どんな音楽が聞こえてくるか想像しながら、絵画や工芸を鑑賞してみましょう。

『布晒舞(ぬのさらしまい)』
英一蝶(はなぶさいっちょう) 17世紀初頭 財団法人 遠山記念館所蔵
画面中央に、右手に扇子、左手に白布を持った踊り手が「布晒しの舞」を踊っています。布が地面につかないよう軽快に舞う様子がわかります。画面左側には、三味線、唄、小鼓(こつづみ)の3人の囃子(はやし)方がいます。唄は口を大きくあけて声を張り上げ、小鼓は興奮のあまり腰が浮くなど、熱演の様子が詳細に描写されています。