謡曲(ようきょく)

謡曲とは、能の声楽部分のことで、謡(うたい)とも呼ばれています。主人公のシテやその相手役のワキなどによって謡われる「役謡(やくうたい)」と、登場人物以外の演者たちによって斉唱される「地謡(じうたい)」で構成されます。フシの部分と、コトバの部分がありますが、コトバ部分にも一定の抑揚があり、演劇の「せりふ」とは異なります。また、フシ部分にはリズムに乗る「拍子合 (ひょうしあい)」と、リズムに乗らない「拍子不合(ひょうしあわず)」があります。謡曲の詞章は、七五調を基本に、八拍で一句を構成しています。今日に至る能の基礎は、室町時代、将軍の足利義満(あしかがよしみつ)*1[1358-1408]に庇護された観阿弥(かんあみ)、世阿弥(ぜあみ)の父子が築きました。

《コラム》「寺子屋の教材にもなった謡曲」

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『巻絹(まきぎぬ)』

シテ/鷹尾祥史、ツレ/鷹尾維教、ワキ/宝生欣哉、笛/松田弘之、小鼓/曽和正博、大鼓/亀井広忠、太鼓/22代目・金春惣右衛門、後見/平井俊行、鷹尾章弘、地謡地頭/56代目・梅若六郎、地謡後列/松山隆雄、土田晏士、梅若晋矢、地謡前列/角当直隆、小田切康陽、山崎正道、会田昇
2003年[平成15年]1月11日 第229回普及公演
国立能楽堂能舞台

0:58

【解説】

勅命(ちょくめい)により、熊野権現(くまのごんげん)に千疋の巻絹を奉納することになった都からの使者は、途中の音無天神(おとなしてんじん)で、梅の和歌を一首詠んでいたため期日に間に合わず、縛られてしまいます。そこに、天神が乗り移った巫女(みこ)が現れ、男の縄をほどきます。巫女は舞を舞い、和歌を受け取った喜びを表現しますが、時が経ち、神霊が離れて平常の女性に戻ります。

【詞章】

地謡 一万文殊
シテ 三世の覚母たり
(中略)
地謡 挙足下足の、舞の手を尽くし、これまでなりや、神は上がらせ、給ふと云ひ捨つる、

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