うた沢(うたざわ)

うた沢は、幕末に、旗本・笹本彦太郎(ささもとひこたろう)[1797-1857]を中心として、端唄から派生した三味線歌曲です。1857年[安政4年]に浅草の嵯峨御所(さがごしょ)*1への請願が通り、笹本は歌沢大和大掾(うたざわやまとのだいじょう)を受領し、正式に公認されました。成立当初は、御家人、畳屋、火消し、魚屋など端唄の同好者であった武士と町人が一緒に活動しています。三味線は中棹(ちゅうざお)*2を、撥(ばち)は、他の三味線小曲で用いる物より重めにした物を用います。端唄や小唄に比べ、唄がより重視されゆっくりしたテンポで演奏することと、他の小曲にはない三味線の「前弾き*3」が特徴です。

《コラム》
「うた沢」の先生は「一中節」?

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『一声(ひとこえ)は』

唄/歌澤寅二、三味線/歌澤寅福
1996年[平成8年]10月16日 第94回邦楽公演「邦楽鑑賞会」
国立劇場小劇場

一声

1:49

【解説】

『一声は』は、女性の視点で、男女の心情の隔たりについて嘆く気持ちが歌われています。幕末、市中で流行しおおいに歌われ、その人気ぶりは、歌舞伎作者の河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)が作品の中に取り入れるほどでした。

【詞章】

一声は、月がないたかほととぎす。いつしかしらむ短夜(みじかよ)に、

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