新内節(しんないぶし)

新内節は、豊後系*1の浄瑠璃[語りもの音楽]で、宝暦[1751-64]頃、鶴賀若狭掾(つるがわかさのじょう)[1717-86]によって曲風が確立*2された浄瑠璃です。「新内」という名は、安永[1772-1781]の頃、美声で人気のあった若狭掾の弟子の2代目・鶴賀新内(つるがしんない)[?-1810]の名前から付けられたといわれています。新内節は抒情豊かな語りが特徴で、題材には、駆け落ち、心中など男女の恋に関係する人情劇が描かれています。三味線は中棹(ちゅうざお)*3を用います。以前は、花柳界などを2人1組で歩きながら演奏する「新内流し」の姿もよくみられました。「新内流し」では、太夫(たゆう)は地の部分の三味線を、三味線弾きは、上調子(うわぢょうし)[高い調子の三味線]を受け持ちます。

《コラム》
「舞台化されるほどのヒット曲も!」

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[中央]新内節正本(しょうほん)『明烏(あけがらす)』
上野学園大学 日本音楽史研究所所蔵

明烏(あけがらす)

新内節正本とは、新内節に用いられる詞章を刊行したものです。向かって左は『二重衣恋占(ふたえぎぬこいのうらかた)』の正本で、現在に伝わる新内節の作詞・作曲を多く手掛けた鶴賀若狭掾の名前が記されています。右は『帰咲名残命毛(かえりざきなごりのいのちげ)』の主要な登場人物が描かれています。

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