浪花節(なにわぶし)

浪花節*1は、1つの物語を三味線を伴奏として、フシ[旋律]とタンカ[せりふ]で語る大衆的な芸能です。浪花節は、江戸末期における山伏(やまぶし)や願人坊主(がんにんぼうず)*2門付(かどづけ)*3芸に端を発します。また、「祭文 (さいもん)*4」や「ちょぼくれ」と称した門付芸の要素も含み発展した芸能です。その語り口は、調子が高く、テンポのはやい関東節、低音に特徴があり、ゆっくりとしたテンポの関西風に二分されます。内容は、お家騒動・軍談の「金襖物(きんぶすまもの)」、世話物・白浪物の「端物(はもの)」、任侠物・侠客物の「三尺物(さんじゃくもの)」、滑稽な「ケレン物」があります。伴奏の三味線弾き「曲師(きょくし)」は、ついたてのかげで演奏し、太棹(ふとざお)*5の三味線を用います。

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『紀伊国屋文左衛門(きのくにやぶんざえもん)』

「船出の朝(ふなでのあさ)」
浪花節/梅中軒鶯童[関西]、三味線/三角久丸
1975年[昭和50年]10月17日 第2回日本音楽の流れ「語りもの」
国立劇場小劇場

紀伊国屋文左衛門

1:34

【解説】

「船出の朝」は、江戸の大切な得意先に、祭りに間に合うようにみかんを届けるため、命をかけて荒海に船出する文左衛門を描きます。一攫千金を狙う商人という人物像ではなく、紀州男の魂をつらぬくという設定で書き直されています。

【詞章】

この大嵐にこのうちを船が帆あげて行くはずがない。人間技の船ではなかろう。八大竜王の御座船じゃろう。この時化(しけ)何になりますよう、おいら浜から拝んでおこう。浜で拝んだその船が、後に文左のみかんの船と分かって、志摩の鳥羽浦漁師町から、唄いはじめた網引音頭、ヤレヨ 沖のくらいのおみ白帆拝みゆく、あれは紀伊国屋 ヤレコリャドッコイ みかん船。

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