清元節(きよもとぶし)

清元節は、1814年[文化11年]、初代・清元延寿太夫(きよもとえんじゅだゆう)[1777-1825]が創始した浄瑠璃[語りもの音楽]で、豊後節(ぶんごぶし)*1の系統に属します。初代と2代目の延寿太夫は、美音家として知られ、当時の流行唄を取り入れたりして曲風を確立し、歌舞伎にも積極的に取り入れられました*2。4代目は歌舞伎作者・河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)と提携し、多くの作品を生み出し、また「他所事浄瑠璃(よそごとじょうるり)」*3という新しい演出方法を編み出しました。5代目は、語り口を上品にして、社会的な地位を向上させ、清元節を隆盛に導きました。発声はきわめて技巧的で、高い声を特色とします。三味線は、中棹(ちゅうざお) *4を用い、澄んだ柔らかい音を基本とし、控えめな演奏で語りを大切にします。

  • 参考曲
  • 楽譜・資料
  • 主な楽器
  • 注釈・コラム
  1. *1豊後節(ぶんごぶし):
    都一中の弟子、宮古路豊後掾(みやこじ ぶんごのじょう)[?-1740]が名古屋や江戸で歌舞伎に出て大評判となった浄瑠璃。豊後節から派生した常磐津節(ときわづぶし)、富本節(とみもとぶし)、清元節を、「豊後三流」と呼びます。
  2. *2歌舞伎にも積極的に取り入れられました:
    義太夫節のみで語られていた『仮名手本忠臣蔵』にも、清元節による『道行旅路の花聟』という場面を新たに追加したほどです。
    歌舞伎舞台写真『天衣紛上野初花』「大口屋寮の場」
    1977年[昭和52年]12月 第89回歌舞伎公演 国立劇場大劇場
  3. *3「他所事浄瑠璃(よそごとじょうるり)」:
    どこか遠くから他の場所で演奏されている浄瑠璃が聞こえてくるという情景を表現する演出方法。写真は『天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)』の公演の様子で、舞台上手[向かって右手]に清元節が「他所事浄瑠璃」で出演しています。
  4. *4中棹(ちゅうざお):
    三味線で、棹の太さと胴の大きさが中程度のもの。種類が多く、義太夫節を除く各種浄瑠璃や地歌などで各様のものを用います。
*2『道行旅路の花聟』
東京都立中央図書館特別文庫室
東京誌料文庫所蔵

ページの先頭に戻る