地歌(じうた)

地歌は、江戸時代に、上方[いまの京阪地方]で発展した三味線音楽のひとつです。平曲(へいきょく)を伝承していた当道座(とうどうざ)の盲人音楽家たちが、琵琶にかわって三味線を弾くようになったことが始まりとされ、「三味線組歌(しゃみせんくみうた)」という芸術的歌曲が完成されました。後に箏曲(そうきょく)と密接に結びつきます。やがて、能(のう)の題材や詞章を取り入れた「謡物(うたいもの)」や、浄瑠璃を移入した曲や動物を主人公とし笑いを誘う滑稽な内容を持つ「作物(さくもの)」も作られました。江戸後期になると、歌と歌の間に三味線だけの間奏部分を持つ、「手事物(てごともの)」という形式が生まれ、地歌を代表する楽曲形式となりました。

  • 参考曲
  • 楽譜・資料
  • 主な楽器

『袖の露(そでのつゆ)』

地歌/藤井久仁江
1978年[昭和53年]10月14日 第6回日本音楽の流れ「歌いもの」
国立劇場小劇場

袖の露

2:20

【解説】

袖の露とは涙のことで、秋の夜長に恋人を待ち続けたのに、とうとう来てくれず、淋しさに泣く女性の気持ちを歌ったものです。寛政のころ[1789-1800]活躍した峰崎勾当(みねざきこうとう)作曲による作品で、大阪で生まれました。

【詞章】

白糸の絶へてし契りを、人問はん[合の手]愁(つら)さに、秋の夜ぞ長き。

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