神楽かぐら

 日本を代表する神事芸能で、神々の来臨(らいりん:来てくれること)や神託(しんたく:神のお告げ。託宣)を願って、歌や舞をともなった儀式を行います。日本神話の『古事記(こじき)』や『日本書紀(にほんしょき)』に書かれた、天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れてしまった話で、天鈿女命(あめのうづめのみこと)が天照大神を誘い出すための舞が、神楽の始まりとされています。

「岩戸神楽の起顕」
3代歌川豊国画
早稲田大学演劇博物館所蔵(資料番号:006-5034~5036)

 神楽は、宮中で行われる御神楽(みかぐら)とそれ以外のもの(以降、“神楽”という)に大きく分けることができます。御神楽は、宮中の恒例行事として行われるもので宮内庁式部職楽部(くないちょうしきぶしょくがくぶ)により執り行われます。

御神楽「人長舞」
宮内庁式部職楽部
青木信二撮影

 神楽はその芸態から、神に仕える女性である巫女が舞う巫女舞・巫女神楽、さまざまな採物を持って舞う儀式的な採物舞と神話などを題材にして演劇的な舞などで構成される採物神楽(とりものかぐら)、湯で払い清める湯立(ゆたて)の神事が取り込まれた湯立神楽(ゆたてかぐら)、獅子の舞に曲芸などを加えて舞う大神楽や獅子頭を御神体として演劇的な舞を舞う山伏神楽(やまぶしかぐら)をいう獅子神楽(ししかぐら)と大きく分けることができます。
 なお、「神を迎える場所」「神への儀式を行う場所」を意味する「神座(かみくら・かむくら)」がその語源だと考えられています。

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