さまざまに伝わる民俗芸能

 人々には及ばない大きな力を持つ神への祈りや感謝を伝える歌や舞、踊、そして祭礼や行事の内容は、それぞれの地域の文化や信仰が大きく関わることから、各地で独自の民俗芸能が生まれました。さらに国外から伝わって寺社などで行われていた芸能や興行(こうぎょう)として行われていた芸能が人々の間に広まったものもあるなど、日本全国にさまざまな民俗芸能が受け継がれています。

  • 神楽

    日本を代表する神事芸能です。神事において神を迎え、もてなすための歌や舞をいいます。地域の文化や信仰などの影響を受けながら、日本各地でさまざまな形で受け継がれています。

  • 田楽

    人々の生活を支える稲作に関わる神事で行われた歌や舞、また行事自体をいいます。歌や舞だけでなく、儀礼的なものや演劇的なものなど、地域によってさまざまな形で伝わっています。

  • 風流

    美しく着飾った人々が、囃子(はやし)の伴奏の中、集団で踊るものをいいます。また山車(だし)などとともに練り歩くものや仮装して踊るものなどもあります。

  • 獅子

    日本で最も多く伝わっている民俗芸能で、獅子頭をかぶって演じるものをいいます。おもに1人で演じる一人立(ひとりだち)、獅子頭役と胴体役の2人で演じる二人立(ふたりだち)に分けられます。

  • 渡来芸・舞台芸

    国外より伝わった伎楽(ぎがく)や雅楽(ががく)などの渡来の芸能や、能・狂言・人形芝居や歌舞伎などの舞台芸能が地方に伝わり、地方色が加わって受け継がれている芸能をいいます。

  • アイヌの芸能

    日本の北方地域の先住民であるアイヌ民族が独自に伝える歌や踊をいいます。アイヌの人たちは、カムイ(神)への儀式や、日常生活のさまざまな場面で歌い、踊ることで、カムイとともに楽しみ、またカムイへの感謝を表しました。

  • 琉球の芸能

    日本の南方の島々が浮かぶ一帯を、かつて治めた王国から琉球(りゅうきゅう)地域などとよびます。この地域には、王国主導で行われた歌や踊をいう宮廷(きゅうてい)芸能、地域の人々が行事や祭礼で行う民俗芸能が伝わります。

  • 諸々の芸能

    このサイトでは、神楽や田楽などの大きなジャンルに分けて民俗芸能を紹介していますが、中にはこうしたジャンル分けに当てはまらないものも数多く伝わっています。ここではそうした民俗芸能を「諸々の芸能」として紹介します。

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