三味線弾きは、演奏によって場面の情景や雰囲気から、登場人物像や感情の動きまでも表現し、観客に作品内容を伝える上で重要な役割を果たします。
泣き
男の泣き
低く押さえた音で、感情の波が押し寄せる様子を表現します。
女の泣き
高めの音で、感情のままに悲嘆にくれる様子を表現します。
嘆き
男の嘆き
『絵本太功記(えほんたいこうき)』「尼ヶ崎(あまがさき)の段」より、多大な家族の犠牲の上にしか自分の大義の達成はないと苦悶する武智光秀(たけちみつひで)が、ついに激しく涙を流す場面です。
女の嘆き
『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』「寺子屋(てらこや)の段」より、恩義のために我が子を犠牲にした母親の嘆きを描く場面です。