人形浄瑠璃 文楽 BUNRAKU

作品:時代物

絵本太功記えほんたいこうき

概要

初演:寛政11年(1799)、大坂豊竹座
作者:近松柳(ちかまつやなぎ)、近松湖水軒(ちかまつこすいけん)、近松千葉軒(ちかまつせんようけん)

読本(よみほん)の『絵本太閤記(えほんたいこうき)』などをもとに浄瑠璃に脚色した、全十三段と発端で構成される作品です。
武智光秀(たけちみつひで:史実の明智光秀[あけちみつひで])が主君・尾田春長(おだはるなが:史実の織田信長[おだのぶなが])を本能寺で討ち、真柴久吉(ましばひさよし:史実の羽柴秀吉[はしばひでよし])に討伐されるまでの13日間を1日1段に分けて描きます。

写真の場面

息子と母の死に涙を流す光秀でしたが、陣太鼓が鳴り響くと、味方の状況を確認するために松の木に登り、辺りを見渡します。

『絵本太功記』尼が崎の段
平成28年(2016)5月
国立劇場小劇場 第195回文楽公演(Y_D0100195500503)

あらすじ尼ヶ崎の段あまがさきのだん

主君・春長を討った息子・光秀の悪逆が許せず、尼ヶ崎に隠棲しているさつきのもとへ、光秀の息子・十次郎(じゅうじろう)が初陣の許しを得に来て、許嫁の初菊(はつぎく)との祝言の後、出陣します。
陰で様子を伺っていた光秀は、宿を求めて来た旅僧こそが久吉と見抜き、湯殿に向かって竹槍を突きます。しかし、刺されたのは、身を挺して息子の罪の深さを責めるさつきでした。
そこへ重傷を負って戻った十次郎から、味方の敗戦を聞いた光秀は、息子と母を失う悲しみの中、久吉と天王山での再会を約束して別れるのでした。

ページの先頭に戻る