はじめての歌舞伎はじめての歌舞伎

女方(おんながた)子供の役を除いて、歌舞伎では女性の役も男性が演じます。その女性の役や、それを演じる男性の俳優のことを「女方(おんながた)」と呼びます。

女方とは

『本朝廿四孝』三幕目 長尾謙信館奥庭狐火の場
八重垣姫:中村 時蔵【5】

国立劇場 第244回歌舞伎公演 平成17(2005)年 3月

男性が女性役を演じるのは、日本の伝統芸能に限らず海外でも行われていました。ヨーロッパの演劇においては女優が現れたのはそれほど古いことではありません。17世紀以前にはほとんど女優が存在せず、シェークスピア劇でも少年が女性役を演じていたといわれています。また、中国の伝統演劇などでも男性が女性役を演じてきました。
歌舞伎よりも200年以上古い能や狂言でも、男性の俳優が仮面を使用したり布で顔を覆ったりして、女性の役を演じますが、声の出し方は男性の役と変わりません。しかし、歌舞伎の女方は、顔を見せ、化粧や衣裳やかつらに加えて、声の出し方やしぐさなどにも工夫を凝らして、独特の女性像を創造しています。

『本朝廿四孝』三幕目 長尾謙信館奥庭狐火の場
八重垣姫:中村 時蔵【5】

国立劇場 第244回歌舞伎公演 平成17(2005)年 3月

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