文楽編・菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

菅原伝授手習鑑TOP > 早わかり

前のページに戻る

早わかり

菅原道真が太宰府に左遷された歴史上の事件と天神伝説を背景に、親子・兄弟の情愛、運命に翻弄される悲劇を描いた『菅原伝授手習鑑』。今も見る人に深い感動を呼び起こす人形浄瑠璃三大名作のひとつです。

物語の概要

各段のあらすじへ
『竹本筑後掾番付集』<br>西尾市岩瀬文庫所蔵 90-11
菅原伝授手習鑑 初演時の番付
『竹本筑後掾番付集』
西尾市岩瀬文庫所蔵

菅原道真の左遷事件をもとに脚色

学問の神様といえば天神様。祀られているのは菅原道真(すがわらのみちざね)です。人形浄瑠璃『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』は道真に関する伝説を元に創作され、江戸時代の延享3年(1746)8月、大坂・竹本座で初演されました。

この頃、人形浄瑠璃は全盛期を迎えており、本作に続き『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』が延享4年に、その翌年には『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』と、いわゆる三大名作が相前後して産声をあげています。

本作は、平安時代に政治家として活躍した右大臣・菅原道真が、左大臣・藤原時平(ふじわらのときひら)の企みによって京の都から遠く九州・太宰府へ左遷された事件を題材に作られました。

また、初演された夏に大坂の天満で三つ子が生まれ、公儀から褒美を与えられたというトピックスも取り入れ、物語に興趣を添えています。

様々な人間ドラマを描いた名作

菅丞相(かんしょうじょう)と藤原時平(ふじわらのしへい)の善悪の対立を軸とする物語。外題(げだい)にもなっている筆法を弟子に伝授する場面を経て、政争に巻き込まれた親子の苦悩と別れを中心に、ドラマは展開します。最後に時平とその一味は、謀反の企みを知って荒ぶる雷神と化した菅丞相らに倒され、丞相の霊は天神として祀られます。忠義と情愛の狭間で苦しむ人間模様が描かれ、勧善懲悪が貫かれたこの作品には、時代を越えて、現代の我々の心にも強く訴えるメッセージが込められています。

作者:竹田出雲・三好松洛・並木千柳・竹田小出雲、初演:延享3年(1746年)8月、初演座:大坂・竹本座、分類:時代物、構成:五段

知っておきたい基礎知識

ページの先頭に戻る