文楽編・菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

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ひもとく | 作品の概要

三段目 茶筅酒の段

  • あらすじ
  • 鑑賞のポイント
  • 詞章
  • 賀の祝で和やかな雰囲気。しかし父を不安な想いにさせる出来事が……。

    平成23(2011)年2月<br>国立劇場小劇場 第174回文楽公演<br>『菅原伝授手習鑑』 茶筅酒の段<br>千代:桐竹 勘壽<br>春:吉田 勘彌<br>八重:[5代目] 豊松 清十郎<br>白太夫:[3代目] 桐竹 勘十郎<br>公演記録写真(Y_D0100174500675)

    ここは河内国・佐太村(かわちのくに・さたむら)。三つ子の父親・四郎九郎(しろくろう)は、古希(こき)を機に名を白太夫(しらたゆう)と改め、丞相(しょうじょう)が流罪となった後も、めでたい三つ子の親として、同じ場所で不自由なく暮らしていました。

    そこへ三つ子の嫁たちがやってきます。梅王丸(うめおうまる)の女房・春(はる)、松王丸(まつおうまる)の女房・千代(ちよ)、桜丸(さくらまる)の女房・八重(やえ)で、3人は協力して賀の祝の料理を作ります。できたお祝いの雑煮に舌鼓を打つ白太夫。嫁3人から祝いの品も贈られますが、桜丸の女房・八重からの贈り物は三方(さんぼう)で、白太夫は何故か顔を曇らせます。そのあと白太夫は八重を連れ、氏神詣でに出かけます。

  • 三方に不吉なものを感じる白太夫

    平成23(2011)年2月<br>国立劇場小劇場 第174回文楽公演<br>『菅原伝授手習鑑』 茶筅酒の段<br>八重:[5代目] 豊松 清十郎<br>白太夫:[3代目] 桐竹 勘十郎<br>公演記録写真(Y_D0100174500690)

    二段目・三段目・四段目で、それぞれ親子の別れが描かれますが、三段目では白太夫(しらたゆう)と桜丸(さくらまる)の別れになります。

    この場面に桜丸は登場しませんが、早朝に父の許を訪れ切腹のゆるしを願っていた桜丸を白太夫が説得し、切腹はひとまず待つようにと命じていたのでした。そして息子が切腹しなくてもいい手段、生きる道を探っていた矢先、桜丸の女房八重(やえ)が切腹を連想させる三方(さんぼう)を持参してきたのです。

    口には出さないものの大変なショックを受ける白太夫。無表情なはずの人形ですが、白太夫の心の動揺を感じさせる動きを見せます。

    物語の舞台は平安時代でも風俗は江戸時代のもの

    • 春(はる)
    • 千代(ちよ)
    • 八重(やえ)

    この物語は平安時代が舞台になっていますが、登場人物たちの衣装は江戸時代の人が着ていたものがほとんどです。三つ子の女房たちの着物の柄や首(かしら)にも注目してみましょう。梅王丸の女房の春(はる)、松王丸の女房の千代(ちよ)、桜丸の女房の八重(やえ)、3人の着物の柄は夫の名にちなみ、それぞれ梅・松・桜です。首(かしら)は、春と千代が結婚した女性に用いる「老女方(ふけおやま)」という種類。桜丸の女房の八重も既婚女性ですが、その初々しさを強調するため、「老女方」の首(かしら)ではなく未婚女性用の「娘」の首(かしら)を用い、髪の結い方も娘です。このように細かいところにまで演出がなされています。

    明るくにぎやかな場面が物語に陰影をつける

    平成23(2011)年2月<br>国立劇場小劇場 第174回文楽公演<br>『菅原伝授手習鑑』 茶筅酒の段<br>千代:桐竹 勘壽<br>公演記録写真(Y_D0100174500670)

    この段では三つ子の女房たちが一緒に料理を作る和やかな場面が出てきます。三味線の旋律も音色もにぎやかに工夫されていますが、こういった明るい場面を効果的に挿入することで、白太夫の不安やその後の暗く悲しい場面が際立つのです。

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    1. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.1)
    2. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.2)
    3. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.3)
    4. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.4)
    5. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.5)
    6. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.6)
    7. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.7)
    8. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.8)
    9. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.9)
    10. 三段目 茶筅酒の段(詞章 P.10)
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作品の概要
  • 初段
    • 大内の段
    • 加茂堤の段
    • 筆法伝授の段
    • 築地の段
  • 二段目
    • 道行詞甘替
    • 安井汐侍の段
    • 杖折檻の段
    • 東天紅の段
    • 丞相名残の段
  • 三段目
    • 車曳の段
    • 茶筅酒の段
    • 喧嘩の段
    • 桜丸切腹の段
  • 四段目
    • 天拝山の段
    • 北嵯峨の段
    • 寺入りの段
    • 寺子屋の段
  • 五段目
    • 大内天変の段
名場面集
  • 許されぬ勘当
  • 菅丞相の涙
  • 菅丞相と苅屋姫との別れ
  • 白太夫と八重の悲嘆
  • 緊迫の首実検
  • 切なさ極まるいろは送り
作中の人間ドラマ
  • 3兄弟の運命
  • 親子の別れ
  • 師弟関係
主要人物相関図 知っておきたい基礎知識

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