文楽編・菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

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背景を知る |影響を与えた先行作品

能『雷電』

菅原道真の霊が雷神となって猛威をふるう、迫力ある能作品です。

平成26(2014) 年8月<br>国立能楽堂能舞台 第135回企画公演<br>『雷電』能 観世流<br>後シテ 雷神: [9世] 観世 銕之丞<br>公演記録写真(Y_NO150135003053)

『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』は、先行するいくつかの演劇作品から影響を受けて成立したと考えられていますが、そのうちのひとつに室町時代に作られた能の『雷電(らいでん)』があります。そのあらすじは、次のようなものです。

……初秋の月の夜。比叡山の座主、法性坊(ほっしょうぼう)僧正という名僧が天下泰平を願う仁王会という法要を執り行っていました。そこへ扉を叩く者がいるので、不審に思って門を開けると、そこには菅原道真(すがわらのみちざね)の霊の姿がありました。生前、僧正を師としていた道真は、師の恩に感謝する一方で、これから雷神となって、自分を陥れた者たちに対する報復のため都へ行くが、朝廷から悪霊退散のために招かれても応じず、私の報復を阻まないで欲しいと願い出ます。僧正は、一度や二度なら断るが、「勅使三度に及ぶならば、いかでか参内申さざらん(帝からの使いが三度に及ぶなら、断るわけにはいかない)」と答えます。この返答に道真の霊は顔色を一変させ、怒り狂います。鬼のようになった道真の霊は、本尊に供えられていた柘榴(ざくろ)をつかみ取って噛み砕き、扉に吐きかけます。柘榴はたちまち炎となって燃え上がりますが、僧正は印を結んでこれを鎮めます。その後、都では雷神となった道真が猛威をふるい、やはり僧正は請われて参内することとなります。宮中、紫宸殿(ししいでん)で「法華経普門品(ほけきょうふもんぼん)」を唱え祈祷する僧正。雷神は稲妻を操り、帝の身にも危険が迫ります。僧正と雷神は激しい戦いを繰り広げますが、僧正が「千手陀羅尼(せんじゅだらに)」を唱えると雷神もついには屈し、帝から「天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)」という神号も賜ったことから、生前の恨みが晴れたと、黒雲に乗って空高く飛び去っていくのでした……。

道真を巡る伝説は、『雷電』以外の能作品にも取り入れられており、飛梅伝説をテーマにした『老松(おいまつ)』などが有名です。

作者とその時代
  • 合作による作品
  • 竹本座で初演
  • 当時の社会情勢
  • 江戸中期の人々の価値観
  • 作品の題材となった当時の出来事
登場人物の実在のモデル
  • 菅原道真
  • 藤原時平
  • 醍醐天皇(延喜の帝)
  • 斎世親王
影響を受けた作品
  • 能「雷電」
  • 人形浄瑠璃「天神記」

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