雅楽 GAGAKU

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作品と鑑賞

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雌雄の龍が戯れる様子を息を合わせて舞う走舞 納曽利(なそり)

平成24年(2012年)2月25日 第70回雅楽公演 国立劇場大劇場 [出演]宮内庁式部職楽部

あらまし

右方で、舞台上を活発に動きまわる走舞(はしりまい)の二人舞[一人舞のときには『落蹲(らくそん)』]です。(※奈良では逆に二人舞を『落蹲(らくそん)』、一人舞を『納曽利』と呼ぶ)

2匹の龍が楽しげに遊び戯れる様子を表したものといわれ、童舞(わらわまい)として舞われることもあります。古くから『陵王』の答舞(とうぶ:先に演じる左舞の対となる右舞)として、頻繁に演じられてきました。

平安時代には競馬や勝者に賭物が与えられる賭弓(のりゆみ)、相撲の節会(せちえ:季節の節目に行われる宴)で舞われ、左方が勝つと『陵王』が、右方が勝つと『納曽利』が舞われたといわれています。

曲と舞の流れ

一具は、(1)「高麗小乱声(こまこらんじょう)」、(2)「破」、(3)「急」からなります。

前奏曲として高麗笛(こまぶえ)と太鼓、鉦鼓(しょうこ)による「高麗小乱声」から始まります。演目の中心「当曲」でゆるやかなリズムの「破」を奏しはじめてから舞人(まいにん)は登台し、それぞれの所定の位置につきます。「破」は四拍子(よひょうし)の揚拍子という、やや速めの拍子となります。「急」の舞が終わると、最後に唐拍子の早いリズムの「急」が続くなか、舞人は退出していきます。

装束と面

青系統を基調とした演目固有の装束である別装束で、中央に穴を開け首を通す裲襠装束(りょうとうしょうぞく)でも、活発な動きのある走舞で用いられることの多い、周囲を毛で縁どった毛縁装束(けべりしょうぞく)を着用します。

顔には面、手には銀色の桴(ばち)を持ちます。面は「動目(うごくめ)」と「吊顎(つりあご)」を持つ木製の恐ろしげな大面で、銀箔が施された目と牙(きば)が動く仕掛けになっています。

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鑑賞のポイント

舞人の動きに合わせて面の一部が動き、群青色の面に塗られた瞼(まぶた)と唇(くちびる)の鮮やかな朱色が印象的です。

「破」はこの曲にしかない特殊な揚拍子で、通常の高麗四拍子の曲では後半のテンポが速くなったところから用いられるリズミカルな拍子です。

走舞ながら二人舞で、しかも面を着けた2人が呼吸をあわせてまったく同じように、あるいは対照的に巧みに舞うさまが特徴的で、見どころとなっています。足の動き、速さ、角度などが互いに揃ったときの美しさは見ごたえがあり、向かい合う姿、背中合わせで舞う姿が対称となる形も独特です。

※別称は『落蹲』とよばれています。

鉦鼓(しょうこ)

円形の鉦を木製の枠に釣りさげ、2本の桴(ばち)でするように打ち鳴らす打楽器。雅楽の打物のなかでただひとつの金属製の楽器です。

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