文楽編 仮名手本忠臣蔵 Kanadehon Chushingura

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よもやま  『太平記』の世界

悪役の代名詞にされた高師直

言動の大胆さや好色漢としての逸話から、後世まで悪役のイメージがつきまとう高師直ですが、戦乱の世でたくましく活躍する人物にふさわしく、合理主義で軍事的手腕に優れた武将でもありました

足利尊氏の下で権勢をふるった「ばさら大名」

史実の高武蔵守師直(こうのむさしのかみもろなお[?~1351年])は、足利尊氏(あしかがたかうじ)に従った南北朝時代[1336~1392年]の武将です。室町幕府創設とともに、将軍の尊氏を補佐する軍事財政面の最高権力者・執事(しつじ)に任命され、権勢をふるいました。後に、尊氏の弟・直義(ただよし)と幕政の主導権をめぐって対立し、摂津国[現在の大阪府北中部の大半、兵庫県南東部]武庫川(むこがわ)で討ち死にします。古い権威を無視して自己の信念を貫く「ばさら大名」の一人です。和歌や書の道にも秀でていました。


師直の悪役イメージをうまく使った『仮名手本忠臣蔵』

『つき百姿 垣間見の月 かほよ』
月岡芳年 画
塩冶判官の妻の湯上り姿を覗き見する高師直
(国立国会図書館所蔵)

政治的・軍事的手腕に長け、悪人の側面が際立つ『太平記(たいへいき)』の師直。神仏の罰も天皇の権威も全く恐れず、物語の中で「天皇というものがどうしても必要なら、木か金で造って、本物は島流しにでもすればよいと」言い放っています。

また、好色漢としての逸話も数多く記されています。その代表は、『太平記』21の「塩冶判官讒死の事(えんやはんがんざんしのこと)」です。師直は、美女と評判の高い塩冶判官の妻に吉田兼好の代筆した恋文を送りますが、拒絶されてしまいます。その後、彼女の湯上り姿を覗き見して一層恋心を募らせ、判官を中傷して死に至らせてしまいました。『仮名手本忠臣蔵』大序は、この一件を取り入れ、史実である「赤穂事件」を「太平記の世界」に見事に変換しました。

大序

時代物初段の最初の部分。1曲の冒頭。竹本義太夫(たけもとぎだゆう)以来、大序と全ての切場は、最高位の太夫の持ち場とされたが、各切場を分担するようになってから、大序は、若手が御簾内で高い調子で数行ずつ入れ替わり語る、修業の場となっている。

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