文楽編 仮名手本忠臣蔵 Kanadehon Chushingura

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四段目 塩谷判官切腹の段(えんやはんがんせっぷくのだん)

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お上からの処分を待つ塩谷家に上使が到着しました。楽観的な見方をする家臣もありましたが、申し渡された処分はやはり「切腹」という厳しいもの



上使は、石堂右馬丞(いしどううまのじょう)と、高師直 (こうのもろのう)と懇意の薬師寺次郎左衛門(やくしじじろうざえもん)。塩谷判官(えんやはんがん)は切腹、領地は没収との上意が申し渡されます。判官は既に覚悟を決めており、死装束を整えていました。切腹の支度が粛々と進みます。切腹の座についた判官は、一目だけでも大星由良助(おおぼしゆらのすけ)に会いたいと到着を待ちわびますが、もはや猶予は許されません。ついに、刀を腹に突き立てます。

そこへ由良助が駆け付けました。判官は苦しい息の下、「無念」と伝えこと切れました。由良助の手には、判官が形見と告げた腹切り刀。由良助は、判官の最期の言葉を噛みしめます。

判官の亡骸は、泣き崩れる顔世御前(かおよごぜん)と家臣達に付き添われ、葬送のため菩提寺光明寺へ向かいました。

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判官手負いの息遣い
由良助の無念

コラム 「通さん場」―閑寂の不文律―

「塩谷判官切腹の段」は、客席がざわついていては緊迫感の妨げになると、発案は、興行主か三業[太夫・人形・三味線]のいずれとも判然としませんが、この段の間中、観客の出入りを禁止しました。客を通さないという意味で俗称「通さん場(とおさんば)」。往年の文楽見物では、上演中も、お弁当・お菓子・お茶などの持ち運びがあり、観客の出入りも多く、雑然としたなかにもそれぞれの楽しみ方がありました。しかし、「判官切腹の段」には、場内閑寂の不文律(ふぶんりつ:暗黙の了解)があったようです。現行でも近年、古例により「通さん場」とする場合もあります。

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