『仮名手本忠臣蔵』が初演された後も、「赤穂事件」は題材として人気の衰えをみせず、人形浄瑠璃・歌舞伎をはじめ講談や読本など、さまざまな芸術分野で創作意欲をかきたてたようです。
人形浄瑠璃では、『太平記忠臣講釈(たいへいきちゅうしんこうしゃく)』の「七条河原の段」「喜内住家の段」が、現在でも上演されています。歌舞伎では、『いろは仮名四十七訓(しじゅうしちよみ)』などがあります。
「赤穂事件」を題材とする膨大な数の作品群は、赤穂浪士劇[義士劇]の決定版となった人形浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』の題名をとり、「忠臣蔵物」と呼ばれるジャンルを築き、今日まで、創作の素材として生き続けています。
