文楽編 仮名手本忠臣蔵 Kanadehon Chushingura

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背景を知る 史実とその時代

コラム 三大仇討ちと芝居

日本の芸能や文学には、「仇討ち物」と呼ばれる作品の系統があります。古くからさまざまに形を変えながら、今も幅広い人気を集める「仇討ち物」の魅力の源を探ります。

人気を集める三大仇討ち劇

『曽我五郎・曽我十郎』
豊国 画
(国立国会図書館所蔵)

仇討ちは、必ずしもうまくいくものではありません。創作された劇中においても、苦節の末に、討ち手はようやく本懐を遂げるのです。その物語には、大願を成就させるめでたさや、弱者への同情や応援の気持ちを寄せながら、権力や悪に対して鬱憤をはらす快さを見出すことができます。

いろいろなジャンルの作品に題材として取り入れられた実際に起きた事件のなか、とくに人気を集めた3つの仇討ちがありました。

1つめは、曾我祐成(そがすけなり)と時致(ときむね)兄弟が、父親の敵・工藤祐経(くどうすけつね)を討った「曾我兄弟の仇討ち」です。

2つめは、渡辺数馬(わたなべかずま)と荒木又右衛門(あらきまたえもん)が数馬の弟の仇、河合又五郎(かわいまたごろう)を伊賀上野鍵屋の辻で討った「伊賀越えの仇討ち」[鍵屋の辻の決闘]です。

そして、3つめが、この「赤穂浪士の討ち入り」です

新しい作品を生み出す源流

『伊賀ノ上野仇討ノ図』
香蝶楼国貞 画
(国立国会図書館所蔵)

これらは三大仇討ちと呼ばれ、それぞれが名作であるというだけでなく、芸能や文学など多様な領域において、多くの新しい物語を生み出す源流ともなりました。登場人物それぞれをめぐる個別の物語や、本筋から派生した別筋の物語なども作られて、膨大な作品群がかたちづくられていったのです。

また、観客である庶民にとっても、この三大仇討ちの筋書きはしだいに当り前の教養となっていきました。逆に作者たちは、たとえば「赤穂浪士の討ち入り」の予備知識が観客にあることを前提としながら、その作品世界に仮託した別の新しい物語を作り出すことができるようになったのです。

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