紙切りは、観客の目の前で、1枚の紙からハサミを使って動物や風景、人物の姿など、さまざまな形を作り上げる芸です。観客から注文を取り、1、2分でその形を切り抜き、注文をした観客に渡します。優れた演者になると、どんな注文にも応じます。「闇夜のカラス」というような形が見えないものや「アリババと40人の盗賊」といった人数が多くて短い時間では切れないような無理な注文が出ることもあり、その時は頓智(とんち)に富んだ絵柄を切って渡すという力技で客席を湧かせることもあります。
時には音楽を流しながら、ストーリー性のある切り絵を次々に映写して見せたり、虫の姿を平面ではなく、立体的に切ったりということもします。
また紙を切っている間はお囃子が流れていますが、アニメのキャラクターが注文された時は、そのアニメの主題歌を三味線で弾いてみせるなど、機転を利かせるお囃子さんもいます。