大衆芸能編 寄席

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寄席の芸能 大衆芸能のあらまし

寄席の芸能
演者による芸の演出すべての大衆芸能において、芸人は演出家でもあります。決められた話や芸を演じるだけでなく、彼らは常に、目の前の観客に満足してもらうため、時代や流行、さまざまな客層の反応に合わせて芸を作り上げています。

『芝浜(しばはま)』という落語は酒ばかり飲んで仕事をしない魚屋が、大金を拾ったことをきっかけにやがて立ち直り、仕事に励むようになるという物語です。

1950年代に3代目桂三木助(かつらみきすけ)が演じた『芝浜』には、女房が心を鬼にして亭主を立ち直らせるという夫婦愛が描かれています。浜辺の朝焼けの美しい光景、亭主を立ち直らせたいと真剣に思う女房、亭主自身も立ち直ろうと必死になる、このように感動的な描写が何か所もあり、絶品と称されて三木助以外は演じなくなってしまいました。

しかし後年、5代目立川談志(たてかわだんし)は、三木助の演じる女房は人間としてあまりに完璧すぎないだろうかと、疑問を投げかけました。亭主が大金を拾ってきた時に一緒に喜ぶような女房でもよいのではないか、そこから夫婦ともに立ち直っていく内容に変えようと考え、何十年もかけて作り直し続けました。

このように同じ演目であっても、芸人によって人物の造形が異なったり、同じ芸人でもその時々で演出が変化したりするので、何度同じ芸を見ても楽しめるのが、大衆芸能の魅力の一つです。

芸人は、目の前の観客の反応を大切にしながら、言葉などの表現方法や演目の内容などについて熟考を重ね、技を磨いているといえるでしょう。

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