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  4. 作品の概要:第八 田島町団七内の段(あらすじ)

作品の概要

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第八 田島町団七内(たじまちょうだんしちうち)の段

親殺しという大罪を犯した団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)を守ろうと、釣船三婦(つりふねさぶ)と一寸徳兵衛(いっすんとくべえ)、お梶(おかじ)は苦肉の策を講じます。

第八:田島町団七内の段

長町裏の惨劇から7日が過ぎました。下手人(げしゅにん)はまだ捕らえられていません。団七九郎兵衛はずっと家にこもりきりです。そこへ、一寸徳兵衛が、玉島へ戻るあいさつに来ました。徳兵衛は一緒に玉島へ行こうと団七を誘いますが、団七は何かと理由をつけて断ります。そこで徳兵衛は、長町裏で拾った雪駄(せった)を取り出し、団七が、三河屋義平次(みかわやぎへいじ)殺しに関係があるのではないかとほのめかします。さらに、まさかのときには、身代わりになるとまで言います。それでも団七は、覚えがないとはねつけ、真実を明かすことなく別れを告げて、奥の間へこもってしまいました。

お梶は、徳兵衛の着物の綻(ほころ)びを見つけ、縫おうと申し出ます。着物を脱いだ徳兵衛は、突然お梶を口説き、不義を迫ります。このやりとりを聞いた団七は、住吉鳥居の前で徳兵衛と取り交わした片袖を投げ返し、激しく争います。そこに飛び込んでふたりの仲裁をしたのは釣船三婦でした。

三婦と徳兵衛は、義平次殺しの下手人を団七だと察していました。その上で、団七の親殺しの罰が妻子に及ばぬよう心を砕いていたのです。徳兵衛がお梶に不義を迫り、団七がお梶を離縁すれば、義平次は「親」ではなくなり、団七の罪が軽くなると考えて仕組んだ苦肉の策でした。お梶も夫・団七が義平次殺しの下手人と知っていました。

捕り手が家の周りを取り囲みました。団七は、お梶と子の市松(いちまつ)を三婦に託し、代官・左膳(さぜん)の前に神妙に進み出ました。しかし、一瞬の隙をついて、団七は屋根を伝って逃走しました。召捕り役を買って出た徳兵衛は、格闘の末にひそかに、逃亡の路銀(ろぎん)にと、貫ざしの銭を団七の首にかけ、わざと捕り逃がすのでした。

貫ざしの銭(かんざしのぜに)
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緡(さし)と呼ばれる紐に、銭[円形で中央に穴がある]を通し、ひとまとめにしたもの。


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