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作品の概要

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第七 長町裏(ながまちうら)の段

第七:長町裏の段
第七:長町裏の段

俗に「泥場」と呼ばれ、人形浄瑠璃でも歌舞伎でも、よく知られた場面です。団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)が、強欲な舅(しゅうと)・三河屋義平次(みかわやぎへいじ)を我慢に我慢を重ねた上に、殺害します。凄絶(せいぜつ)な殺し場です。初演時から太夫は「掛合い」で語り、セリフ劇の色合いが強い場面です。義平次のは、意地の悪そうな老人「虎王」の首から、特殊な舅のガブに変わります。泥の中からはいずり出た義平次は、斬りつけられてもなかなか執念深く、怪奇味さえ帯びています。リアルな殺戮(さつりく)場面ながら、あまり嫌悪感をいだかせないのは、人形劇ならではでしょうか。団七の人形は手足が通常より長く作られており、激しい動きや見得などの際に、動作を大きく派手に見せる効果があります。団七の刺青(ほりもの)と赤い締め込み[ふんどし]も、暗闇のなかで色鮮やかに浮き立ちます。初演時には「本泥」「本水」を用い、人形の衣装に、夏らしく薄物の帷子(かたびら:麻の単衣[ひとえ])を着せました。団七の帷子の茶色の碁盤縞(ごばんじま)は、団七縞(だんしちじま)とよばれ、団七を語る太夫と三味線の肩衣(かたぎぬ)も団七縞を用います。

泥場
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『夏祭浪花鑑』の「長町裏の段」で、団七が舅・義平次を泥田に蹴りこみ、立ち廻りをするところからの呼称。舞台に切穴を作って泥田としたり、泥船という箱の中に泥を入れて舞台へ置いたりして、泥まみれの死闘を演出する。

首(かしら)
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人形のくびから上。性別・年齢・階級・性根に応じて分類された約40種類の首がある。その他、原則として1役にしか使わない特殊な首が30以上ある。太夫の語り口や、描き出される人物像に応じて使い分けられる。従って、太夫も首の性格を知り、それを意識する必要がある。人形遣いの解釈や演出で変わることもある。

虎王(とらおう)
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義平次に使う首。小者のくせに欲深で、何か企んでいる人物。鷲鼻で、口元卑しく、目は鋭く、見るからに意地の悪い面構えの老人役の首である。

舅のガブ(しゅうとのがぶ)
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ガブは人形の特殊首(とくしゅがしら)の代表的なもの。ここで使われる「舅のガブ」は目が返り、顎が外れる。

見得(みえ)
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感情や動作の高揚が、頂点に達した時、一瞬動きを停止して、ポーズをとること。


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