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地図でひもとく人形浄瑠璃『夏祭浪花鑑』の舞台となった町々は、上演当時どんなところであったか、また同じ場所の現在は。作品世界がより身近に感じられます。

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住吉・堺地域
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物語の戎島

寛文4年(1664年)に突然島が出現し、付近の海中から戎神の石像が発見され、「戎島」と命名されたといわれます。戎島は、新たな港として大小の船が出入りし、たちまち料理屋などが設けられました。風景も変化に富んでいて情趣があり繁盛したようです。中でも名高いのが「お鯛茶屋」でした。「戎島」「戎さまの石像」、戎さまに因んだ「鯛」の命名でさぞかし「商売繁盛」だったでしょう。

現在の戎島

現在の南海本線堺駅の住所は「堺市堺区戎島町」です。この一帯が「戎島」だったといわれますが、埋め立てが進んだ現在では島自体はなくなってしまい、大阪湾岸に立ち並ぶ工場群を望む、繁華な駅前の街並みになっています。堺駅から海と反対側に行ったところ、戎之町東の菅原神社境内には、堺戎神社があります。海中から発見された戎神の石像を祀った神社で、今もなお、堺の「えべっさん」として親しまれています。

物語の住吉大社

南北に細長く延びる上町台地の南の端に位置し、『万葉集(まんようしゅう)』の時代から風光明媚で知られます。鳥居前の道は、大坂・堺・紀州をつないでいたことから、堺街道とも紀州街道とも呼ばれる、交通の要衝(ようしょう)でした。古くから航海関係者や漁民の間で海上安全の神として信仰され、江戸時代には潮干狩りの名所でもありました。住吉の鳥居前を少し北に行ったところには料理屋が軒を連ねており、お梶(おかじ)が出牢する団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)を待っていた「昆布屋」もそのひとつでした。

舞台写真
平成19年(2007年)9月
国立劇場小劇場 第160回文楽公演
『夏祭浪花鑑』第三:住吉鳥居前の段
団七九郎兵衛:[3]桐竹勘十郎
写真:青木信二

現在の住吉大社

江戸時代には海が近くまで迫っていた「住吉大社」も、埋め立てにより現在はすっかり内陸になっていますが、今でも大阪の人々に親しまれる神社です。路面電車阪堺線の通る沿道からは、古色を帯びた灯籠が数多く立ち並んでいるのが見られます。道路の反対側、神社の馬場があった所は現在住吉公園として、市民の憩いの場になっています。日本最古の灯台といわれる「高灯籠」は、公園をはさんだ国道26号線沿いに移築されています。


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