作者……並木千柳(なみきせんりゅう:宗輔) 三好松洛・竹田小出雲 初演……延享2年(1745年) 分類……世話物 初演座…大坂竹本座 構成……九段

物語の概要

 舞台は粘りつくように暑い大坂の夏。団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)、一寸徳兵衛(いっすんとくべえ)、釣船三婦(つりふねさぶ)という3人の侠客の義侠心と、その女房たちの侠気を描きます。江戸前の「男伊達」とは異なり、生活感にあふれる大坂の侠客たちの姿が見どころです。団七と徳兵衛の達引き、自ら顔に焼けた鉄弓を押し当てて性根[心の持ち方・腹の据わり方]を見せる女房、夏祭りの興奮と塀一重隔てた陰惨な舅(しゅうと)殺しなど、ストーリー展開の妙といくつもの山場が見る者を引きつけてやみません。市井の出来事を素材とした世話物ながら、時代物にひけをとらないドラマとして描き得る可能性を示し、現代に至るまで活力を感じさせる作品です。

合作による初めての九段続き長編世話物。延享2年(1745年)大坂竹本座(たけもとざ)で初演されました。竹本座では翌年以降、『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』と、いわゆる3大名作を次々と舞台にかけ、人形浄瑠璃は全盛期を迎えます。『夏祭浪花鑑』はその先駆けとなった作品でした。

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達引(たてひ)き
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義理や意気地を立て通すこと。意気地の張りあい。争いごと。もめごと。喧嘩。


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