歌舞伎編「黙阿弥」

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TOP > 作品の特色 > 白浪作者(白浪ブームと諸相)
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作品の特色

白浪作者

白浪ブームと諸相

悪と因果

生世話と庶民性

豊原国周画
4代目市川小團次の鬼薊清吉

 「白浪(しらなみ)」とは盗賊の異名です。黙阿弥は自他ともに認める「白浪作者」でした。
 作品総数360作のうち130作が世話狂言ですが、その半数以上が盗賊を主人公としてしています。黙阿弥が描いた盗賊は、石川五右衛門(いしかわごえもん)のように御家ののっとりや国の転覆(てんぷく)を企む大盗賊ではなく、やむを得ぬ事情やささやかな欲望から盗みや強請(ゆす)りかたりをする小悪党である点に特徴があります。
 幕末に2代目松林伯円(しょうりんはくえん)が盗賊を主人公とした講釈(こうしゃく:近代以降[講談(こうだん)])を得意とし、「泥棒伯円(どろぼうはくえん)」と呼ばれて人気を博しました。この人気にあやかり、安政4年(1857年)に伯円の「鼠小僧(ねずみこぞう)」をもとにした『鼠小紋東君新形(ねずみこもんはるのしんがた)』を上演し、空前の大当りをとりました。これをきっかけに黙阿弥は人気作者となり、以後、同様の白浪狂言を数多く描き続けました。
 黙阿弥の最良のパートナーとして、白浪狂言を数多く演じたのは4代目市川小團次(いちかわこだんじ)で、「白浪役者」と呼ばれました。小團次は明治の新時代を見ることなく没しましたが、黙阿弥はその後も白浪狂言を描き続け、主に5代目尾上菊五郎(おのえきくごろう)が演じました。
 時代が移り、明治になると黙阿弥が描く白浪狂言の作風も変化しますが、下層の盗賊を主人公とした現実味の濃い写実的な芝居であることは変わりませんでした。

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