歌舞伎編「黙阿弥」

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TOP > 作品の特色 > 高い音楽性と美術性(動く錦絵)
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作品の特色

高い音楽性と美術性

七五調の流麗なセリフ

音楽の積極的な活用

動く錦絵

初代歌川国貞(のちの3代目歌川豊国)画
合巻『児雷也豪傑譚』(三編上)巻頭口絵
3代目歌川豊国画
『児雷也豪傑譚話』

 黙阿弥は絵心のある作者でした。番付の下絵を描くなど、幕内で黙阿弥が作品を絵に起こして演出を説くことが行われていたほどです。また、作劇において絵画への関心が表れた例もいくつか挙げられます。
 初期の作品『児雷也豪傑譚話(じらいやごうけつものがたり)』や『しらぬい譚(しらぬいものがたり)』は、原作の合巻(ごうかん)にある口絵や挿絵の様子をそのままト書に立体化させていました。代表作『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』は、「豊国漫画図絵(とよくにまんがずえ)」に描かれた弁天小僧(べんてんこぞう)から着想を得たとも、芝居の予告的に黙阿弥が描かせたとも考えられています。
 そして、すべての黙阿弥作品は、その構成が絵画的であると評価されています。当時の江戸の錦絵、特に役者絵には二枚続や三枚続の構成が多く、そこには対偶的な構図、または描かれる人物の三者三様の様子とともに視線が絡み合う構図がありました。黙阿弥作品はふたつの筋をテレコにする対偶や、日本に伝統的な「三」の趣向(しゅこう)[「雪月花」や「松竹梅」もその例]を巧みに計算して配されているような構成法が見られます。この絵画的構成美がバランスのよい作品を成立させた秘密といえます。そこへ、役者の得意芸や巧さが際立つ場面を配置して、あたかも動く錦絵のごとく、彩り豊かで艶やかな舞台が繰り広げられるのです。

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