歌舞伎編「黙阿弥」

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作品の紹介

生涯において360余もの作品を書き、その多くが好評をもって迎えられたという黙阿弥。 それまでの歌舞伎を集大成したともいえる作品群は、幅広いバリエーションに富み、まさに「江戸演劇の大問屋」と称される、大作者にふさわしい充実した内容ばかりです。
黙阿弥作品事典 おもな黙阿弥作品をピックアップし、作品の概要などを紹介します

江戸期

江戸劇壇を立作者としてリードした黙阿弥。世相を反映した世話物が特に観衆の人気を博しました。白浪物では4代目市川小團次とコンビを組み、のちに5代目尾上菊五郎となる13代目市村羽左衛門にも『弁天小僧』を書きあてます。粋と頽廃という一見真逆な要素が〈悪の華〉として開花した作品の数々です。
都鳥廓白浪 4代目市川小團次のために何度も書き直した黙阿弥の出世作で、幕末の歌舞伎らしい爛熟した美しさと作者の機知が堪能できる作品です。
小袖曾我薊色縫 女犯の破戒僧清心が、遊女十六夜と心中未遂の末に心機一転、盗賊に身を落としていく様と人間の因果を描いた作品です。
三人吉三廓初買 3人の盗賊を中心に、彼らを取り巻く者たちの複雑な人間関係を描く物語性の高い白浪狂言。黙阿弥自身が会心の作と評した作品です。
青砥稿花紅彩画 盗賊「白浪五人男」の因果を描いた作品で、儚い宿命に翻弄される人間の姿を捉えた、黙阿弥の代表作です。
明治期となり、黙阿弥は活歴物や散切物といった新たなジャンルの作品を書き、時代の要請にしなやかに応じます。しかし、その一方で江戸をも描き続けるのです。したがって明治期の作品には、黙阿弥の新たな挑戦の様子と、果敢にも江戸歌舞伎の創作を貫いた作者の姿勢、その両面が見て取れます。

明治期

梅雨小袖昔八丈 庶民の暮らしぶりや初夏の季節感を余すところなく描いた作品で、生世話セリフの巧妙なやり取りが楽しめます。
島鵆月白浪 主要人物がすべて盗人で、最後には全員が改心する話です。2代目河竹新七こと黙阿弥引退披露時の力作で、散切物の代表作でもあります。
天衣紛上野初花 河内山宗俊や片岡直次郎などの悪党が描かれた世話物で、明治時代に入り、失われつつあった江戸情緒を描いた作品です。
高時 北條家の滅亡を中心に脚色した、活歴物の代表的な作品です。傲慢な高時が天狗に翻弄される場面が幻想的に描かれています。

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