歌舞伎編「黙阿弥」

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TOP > 作品の紹介 > 代表作品(島鵆月白浪~あらすじ~)
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作品の紹介

代表作品

島鵆月白浪(しまちどりつきのしらなみ)

概要
あらすじ
鑑賞のポイント
コラム

 マークの場名をクリックすると別ウィンドウで現代地図より舞台背景をご覧いただけます

お照と銀行員を装う千太
「白川宿旅籠屋の場」
東京へ行こうとお照を説得する千太
「白川宿明神峠山越の場」
なんとか小舟にしがみつく島蔵
「明石浦播磨灘難風の場」
湯の入口で再会した千太と島蔵
「神楽坂弁天湯の場」
酒屋主人の島蔵を訪ねる千太
「神楽坂明石屋の場」
千太を改心させようと説得する島蔵
「招魂社鳥居前の場」
序章:白川宿旅籠屋(しらかわじゅくはたごや)の場

 盗人の松島千太(まつしませんた)は故郷の松島へ行く途中、福島の白川に滞在して銀行員のふりをし、旅芸者のお照(おてる)となじみになります。

同:旅籠屋二階座敷(しらかわじゅくはたごやにかいざしき)の場

 お照の母・ねじがねお市(ねじがねおいち)は、情人の講釈師・古川弁山(こうしゃくし・ふるかわべんざん)とともにお照を訪ね、講釈場の寄席(よせ)を買って経営するための金百円を出してくれとねだります。お照はきっぱり断りますが、お市はあきらめません。千太は困っているお照のかわりに金を出してやり、お照の指輪をもらいます。

同:明神峠山越(しらかわじゅくみょうじんとうげやまごえ)の場

 人力車を雇って山道に来たところで、千太はお照とふたりになり、東京へ連れて行こうと口説きますが、お照は承知しません。車夫(しゃふ)の野州徳(やしゅうとく)が千太の過去を知っており、人を呼んだので千太は逃げます。徳と仲間がお照に乱暴しようとしたところを、通りかかった望月輝(もちづきあきら)が助けます。

2幕目:明石浦漁師磯右衛門内(あかしうらりょうしいそえもんのうち)の場

 明石の漁師・島蔵(しまぞう)は、悪事を働いて服役していました。刑期を終えて戻ったのですが、島蔵の妻が気苦労から懲役中に亡くなったため、外聞が悪くて明石には居られないと東京へ出たっきり音沙汰がありませんでした。そんな島蔵が3年ぶりに故郷の明石へ帰り、父、妹、我が子に再会しますが、子の岩松(いわまつ)が足に怪我をしているのを見て驚きます。その怪我は、たまたま知り合った千太と浅草の質屋福島屋へ忍び込み、そこの主人を刃物で脅して金包を奪ったときに島蔵が傷つけたのと同じ日の同じ時刻にできた怪我であると聞いて、悪いことはできないものだと悟ります。島蔵は、父、妹、我が子の前で全てを懺悔(ざんげ)し、改心を誓い、奪った金のうち自分の分け前の5百円を福島屋へ返して罰を受けると決心します。しかし、島蔵はこの話を立ち聞きされたことを知り、いま警察へ密告されるとすでに使ってしまった金を稼いで返せなくなると思い、家族と別れを惜しみながらも再び東京へ旅立ちます。

同:播磨灘難風(あかしうらはりまなだなんぷう)の場

 島蔵は、福島屋へ金を返すために陸路で捕まるのを警戒して海路で向かいます。乗った船が嵐に遭い、遭難しかけますが、蒸気船に助けられて東京へ戻ります。

3幕目:神楽坂弁天湯(かぐらざかべんてんゆ)の場

 お照は望月の妻となっており、神楽坂の弁天湯に入りに来ています。東京へ逃げ戻った千太はその姿を偶然見かけ、金をゆすることを思いつきます。一方、島蔵はすっかり改心して酒屋の主人になっており、福島屋に盗んだ金を返したいと思っています。偶然にも千太と島蔵は弁天湯の入口で出会い、お互いの身の上話をして別れますが、島蔵は千太が悪事をやめていないことに不安を覚え、兄弟分の契りを交わしたことを後悔します。

同:望月輝町住居(もちづきあきらまちじゅうきょ)の場

 千太は望月の家へ訪ねて行き、お照と関係があったように言いながら望月にお照からもらった指輪を見せ、金をゆすり取ろうとします。望月は百円を千太の前に置き、これを持って帰ってくれと言いますが、千太は承知せず、さらに金を要求します。しかし、そんな千太に望月は態度を急変させ、もと幕府の千石取り(せんごくとり)の旗本(はたもと)でありながら、大泥棒であった過去を明かしてやり込めます。望月の過去と凄味に圧倒され、千太は出された百円も受け取らずに引き揚げるのでした。

4幕目:神楽坂明石屋(かぐらざかあかしや)の場

 島蔵の酒屋へ千太が訪ねてきて、望月の家へ押し入る計画を持ちかけます。島蔵は、堅気(かたぎ)になるよう千太を説得しますが、通じません。島蔵は、周囲の目を気にしないところで再び千太を説得しようと思い、招魂社(しょうこんしゃ)で会うことを約束します。千太は島蔵が承知したと思い、喜んで帰って行きます。
 一方、そんな時に酒屋の店員・徳蔵(とくぞう、実は野州徳)が夜逃げをします。島蔵が福島屋へ弁償しようとしていた資金の一部である脇差(わきざし)を盗んでの逃亡でした。

5幕目:招魂社鳥居前(しょうこんしゃとりいまえ)の場

 我が子・岩松の足の怪我のことですでに改心している島蔵は、千太の心を正すため、夜の招魂社の鳥居前で待ち合わせ、改心するように説得します。さすがの千太も島蔵の気持ちに打たれ、ようやく更生を誓うのでした。そこへ、ふたりの話を立ち聞きして改心した徳蔵が出てきて、盗んだ脇差を差し出して詫びます。
 島蔵は千太と協力して福島屋へ弁償して自首することにしますが、脇差だけではお金が足りません。困ってるところへ望月が現れて、千太を止めてくれた島蔵は、自分の命の恩人だということでお礼に不足分を出すと言います。そこへ望月を迎えに来たお照が、島蔵の脇差は実は望月の家に伝わる重宝のため、自分の境遇を救ってくれた望月への感謝の印に買い上げると申し出ます。こうして大団円(だいだんえん)を迎えるのでした。

注釈:ここでは、国立劇場第120回の歌舞伎公演をもとに、「あらすじ」を紹介しています。
台本は、『黙阿弥全集』第16巻に収録されています。

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