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南北劇の特色 ケレンの活用

ケレンとは?
歌舞伎の演出用語で、漢字では「外連」と書きます。 大掛かりな舞台装置の仕掛けから、小道具を駆使した奇抜な演出を「けれん」と言います。

戸板返し

『東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)』の隠亡掘(おんぼうぼり)の場面で、民谷伊右衛門(たみやいえもん)が流れてきた戸板をひっくり返すシーンで使われます。お岩(おいわ)、小仏小平(こぼとけこへい)、骸骨の早替り(はやがわり)です。

舞台横の図
正面の図
展開1
展開2
展開3
展開4
展開5
展開6

展開1
展開1

コモをかぶせた杉戸が堀を流れてきます。
伊右衛門が釣り竿で杉戸をたぐり寄せて引き揚げ、コモをはぐと、杉戸に打ちつけられたお岩が現れます。


展開2
展開2

杉戸をひっくり返す間に、舞台の裏側にお岩の俳優が入り、瞬時にお岩の鬘(かつら)を小仏小平の鬘に取り替えます。


展開3
展開3

杉戸をひっくり返すと、小平の姿があらわれます。
小平の体は人形で杉戸に細工がしてあり、俳優は首から上の顔部分と右手だけを杉戸の穴から出しています。


展開4
展開4

再度、伊右衛門が小平にコモをかぶせます。
この間に、お岩と小平の2役をしている俳優は退場します。


展開5
展開5

伊右衛門が再びコモをはぐと、顔だけ骸骨の小平が現れます。


展開6
展開6

コモが下に落ちるのと同時に小平の衣裳も落ち、あとには白骨死体が残ります。

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