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作品紹介

時桔梗出世請状

概要
あらすじ
鑑賞のポイント
ポイント1

明智光秀(あけちみつひで)は戦勝を祈願して愛宕山(あたごやま)の威徳院(いとくいん)で百韻(ひゃくいん)の連歌を詠んだと言います。この作品で光秀が詠む辞世(じせい)の歌「時は今、天が下知る皐月かな(ときはいま、あめがしたしるさつきかな)」は、その百韻の発句(ほっく)に光秀自身が詠んだものでした。土岐(とき)氏の出身である光秀が今こそ天下を治めるべきときがきた、という決意が込められていたと言います。この作品はそのような逸話(いつわ)にもとづいて創作されたものです。

ポイント2

「馬盥(ばだらい)」の趣向は中国の『史記列伝(しきれつでん)』の「范雎伝(はんしょでん)」を引用したものです。須賈(すか)という人の讒言(ざんげん)で恥辱を受けた范雎は、のちに馬の秣(まぐさ)を食わせて恥辱を与えました。馬の秣の代りに馬盥で酒を飲ませた春永が語る「魏(ぎ)の范水(范雎のこと)の讒言によって……」のせりふは、春永に扮する俳優の聞かせどころになります。明治以降、春永の扮装は大きな髭(ひげ)を付けた活歴調(かつれきちょう)になりました。

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