『隅田川』えとせとら

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  3. 『伊勢物語』を題材にした能
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『雲林院(うんりんいん)』 作者:未詳 古作『雲林院』の改作 題材:『伊勢物語』4段

能(宝生流)『雲林院』

能(宝生流)『雲林院』
平成17年4月9日 国立能楽堂
〔シテ〕三川淳雄

芦屋公光(あしやきんみつ)が京都紫野(むらさきの)にある雲林院を訪ね、花盛りの桜の枝を手折ろうとすると、1人の老人が現われてこれを咎めます。公光が、自分は日ごろ『伊勢物語』を愛読しているが、ある日の夢に、在原業平と業平の愛人二条后(にじょうのきさき)が現われ、ここへ来るよう導いたのだと告げると、老人は自分が業平であることをほのめかし、「今夜はここに留まって夢の続きを待ちなさい」と言って姿を消します。その夜、公光の夢の中に業平が現れ、『伊勢物語』に記される業平と二条后の恋を語りつつ、昔を懐かしんで舞を舞います。


古歌を詠み込みつつ交わされる問答や、シテ業平の典雅な舞からは、王朝的な趣が存分に感じられます。ただ、この曲は古い作品の改作で、残っている世阿弥の自筆本を見ると、後場で二条后の兄、藤原基経が鬼となって現れるという、現在のものと全く異なる展開になっています。当時は、今とは相当に違った雰囲気で演じられていたようです。

  • 『雲林院』
  • 『杜若』
  • 『井筒』
  • 『小塩』

能(宝生流)『雲林院』 平成17年4月9日 国立能楽堂 〔シテ〕三川淳雄

能(宝生流)『雲林院』 平成17年4月9日 国立能楽堂 〔シテ〕三川淳雄

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